臨床試験前に知識・態度を評価する試験 ほとんどの大学の医学部では、一部の大学を除き5年次から臨床試験が行われ、病院で実際に患者と接しながら、医師としての能力を磨くが、その臨床実習開始前に全国の医学生を対象に行われるの「共用試験」です。 「CBT」と「OSCE」の試験があり、クリアできなければ進級できず、臨床実習に入ることができません。主催は社団法人「医療系大学間共用試験実施評価機構(CATO)」。 「CBT」の試験問題は、全国の医学部教員が作成し、「OSCE」の評価項目も全医学部にアンケート調査し、全体のコンセンサスを得たうえで作成されています。 学生はまだ医師でないため従来の臨床実習は、教員の診療の様子を「見学」形式が主体で診療に携わることができず、なかなか実践的な力を高めることが困難でした。学生も医療チームの一員として、実際に医療に参加して、患者から学ぶ姿勢と能力を身につけることが重要です。欧米の医学部では一般的なスタイルになっており、「クリニカル・クラークシィップ」といいます。 臨床実習に参加させるには、学生の能力と適性が一定レベルに達しているという証明が必要なので、「共用試験」を課して、一定基準をクリアした学生のみ臨床実習に参加できることになりました。
「CTB(Computer Based Testの略)」試験はコンピュータを使い行われ、成績が高い学生のほうが、医師国家試験に合格する可能が高いといわれています。 1–2年次で勉強する基本的なものが中心なので、授業に真面目に出席していれば恐れる必要はありません。
「カンニングは不可能な出題」 約2万題が蓄積された問題の中から、コンピュータが無作為に出題され、学生は一人ひとり異なる問題を解くことになります。
[成績順に6段階に評価]
受験者の中で下位2.5%未満
2.5–15%
16–49%
50–84%
85–97.5%
97.5以上
医師国家試験に直結する内容の試験なので、ほとんどの学生が合格できるので、事前に過去問などでしっかり対策を立てることです。
[出題内容と割合] 基礎から臨床まで幅広い分野から出題
5%・・・「基本事項」
20%・・「医学一般」
40%・・「人体各機関の正常構造と機能、病態、診断、治療」
15%・・「全身に及ぶ生理的変化、病態、診断、治療」
10%・・「診断の基本」
10%・・「医学・医療と社会」
[各ブロックと時間や問題の内容]
1時間 成果と選択する知識問題60問
1時間 成果と選択する知識問題60問
1時間 成果と選択する知識問題60問
1時間 成果と選択する知識問題60問
2つのストーリが示され、それぞれのストーリーに最も適した疾患を鑑別する問題で20問の出題で計40問
患者を診療するイメージで作成されており、「○○を訴えて来院」の場合、「医療面接で何を重視するか」が問われ、選択した解答により、次の質問がなされます。出題数は10問だが、各問4つの質問が重ねられるので、計40問に解答することになります。
「OSCE(Objective Structured CiinicaI Examinationの略)」試験は客観的臨床能力試験と呼ばれ、病棟で患者に接しても問題がないかどうかを試す試験です。 半日ほど、頭部、胸部、神経など6–8に分けられた「ステーション」と呼ばれる小部屋で模擬患者を相手に、医療面接と診察を行います。
[標準的内容]
医療面接(必須)
頭頚部診察(必須)
胸部診察とバイタルサインの測定(どちらか一つまたは両方を選択) バイタルサイン:生命徴候(体温・呼吸・脈拍。血圧など)のこと。
腹部診察(必須)
神経診察(必須)
外科手技と救急(どちらか一つまたは両方を選択)
[評価項目]1.の「医療面接」 診察時の配慮(プライバシー・羞恥心・苦痛への配慮、マナー・身だしなみ、言葉づかい、挨拶や説明)、患者との良好な(共感的)コミュニケーション、患者に話を聴く(医学的情報、心理・社会的情報)力、患者に話を伝える力など2.–5.の「診察」聴診器の使い方、バイタルサインの測定、部位ごとの細かく正確な診療など
医学部用語(2)「ポリクリ」
多くは5年次から1年–1年半程度、大学付属病院、あるいは市中病院などの院外施設で臨床実習を行う。ほぼ全ての診療科を少人数グループで一通り全て回る臨床実習課程で行われることを、俗に「ポリクリ」(ポリクリニック)や「クリクラ」「CCS」(クリニカル・クラークシップ)などと呼ばれる。
医学部用語(3)「チュートリアル授業」
学生数人のグループに対して、課題を与え、その課題をグループで討議しながら解決させるタイプの授業。課題を与えること、学生同士の討論の様子を監督することが教員の役目です。
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